弟九話「皆でまわる」 

 

「おい、本気か?」

犬夜叉はまっぴら御免だ という顔つきで言った

「あたり前じゃねぇか」

鋼牙はたのしそうにそう言った

 

「けっ、そんな狼臭そうな着物誰が着るか!!」

「な、なんだと〜この犬っころ。」

「ぬ゛ぅ・・…」

 

「もう、止めなさいよ二人共」

「そうじゃぞ」

「これは決まり事らしいよ」

 

皆は犬夜叉が妖狼族の服を着るのは満更(まんざら)でもない様子だ

 

「着ないなら家に帰れば良いじゃねーか、一人でな」

「お、おれは着物は着ねえ!!でも、祭りにはついていく!!」

「勝手なこと言うんじゃねぇよ、着ないなら参加は無理だ」

「着てても着なくても一緒じゃねぇか!」

 

「また始まりましたね…」

弥勒はあきれてため息をついた

「のう犬夜叉、お前はところで何で付いて着たいのじゃ?

 あれだけ行く気はないと言い張っておったのに」

「…けっ、どうでも良いだろ。そんなこと」

 

「ま、まさか犬夜叉お前…かごめが心配なのか?」

七宝が馬鹿にした態度で犬夜叉に言った

「そんなわけねぇだろ!!…」

 

「じゃぁ何で付いて来たのよ?」

かごめが割って入った

「そ、それは……」

「答えられないような理由??」

「まぁ気持ちは察しますよ。犬夜叉」

弥勒はお見通しと言いたげな態度をとった

 

「とにかく、祭りには出たいんだ〜〜〜!!」

もはや駄々をこねる子供のような犬夜叉…

「わかった!!食べ物が欲しいんでしょ?それぐらい買ってきてあげるわよ」

かごめは本気でそう思った、だが

「ふん、」

犬夜叉はついにスネた。

 

「わかったわよ。犬夜叉、せっかくのお祭りなんだから一緒に行こ!」

「!?…な、何いってんだてめぇ、おれは別に楽しみに来たわけじゃねぇぞ!!」

「はいはい。」

 

「鋼牙くん、お願いがあるんだけど…」

「何だ?かごめ」

「犬夜叉、今回は見逃してもらえないかな?」

「かごめの言う事は聞いてやりてぇんだが、これは決まりなんだ…」

「そこをなんとか!!お願い。」

「しょうがねぇな、まっかごめの頼みとあっちゃな〜」

「ありがと!!鋼牙くん」

 

「…ああ。だがその前に、犬っころ一言くらい何かねぇのか〜?」

見下すように鋼牙が言った

「ふん、おれは別に好きで行くわけじゃねぇんだからな!!」

「何だと〜!?」

 

『せっかく犬っころの邪魔無しでかごめと居られると思ったのによ!!』

 

「悪いが犬夜叉、かごめはおれと、まわるんだからな!」

「そうだ!!こんな機会滅多に無いんだもの、皆でまわりましょ!」

 

「な、かごめ…?」

鋼牙はなんとも言えない表情をした

「鋼牙、皆だってよ!!」

犬夜叉は鋼牙の方を見て ザマ―みろ というような顔をした

 

 

 

 

 

弟十話「二人の想い」(最終話)

 

「結局あんな変な着物着なくたって参加できるんじゃねぇか!!」

犬夜叉は文句ばかり言いながら歩いている

「まぁまぁ。」

かごめと珊瑚の衣装は菖蒲に少し似ている感じだ。

弥勒は着なくていいと解かるとすぐに着替えてしまった

 

「犬夜叉、助かりましたよ」

「はぁ〜?」

 

弥勒、珊瑚(雲母も一緒)、かごめ、犬夜叉(七宝付き)の準で歩いた。

鋼牙はその後ろで歩いてる…

 

「くっそ〜、犬ッコロの野郎・・・」

イライラが顔に出ている

 

「あ、菖蒲ちゃん!!」

「あれ?犬夜叉、来たの??」

菖蒲は犬夜叉を見て言った

「お、おう」

「衣装は?…あ、法師も!!」

「いや・・・ははは・・・私はやはり仏に仕える身ですし・・・」

「ふ〜ん、まぁ良いけどね!」

「?」

 

「鋼牙、あんた何一人で歩いてんの?」

「うるせぇ」

「鋼牙…かごめのこと、好きなんでしょ??」

「何解かりきったこと言ってんだよ」

「でも…ほら、見て」

「ん?」

 

「だから、おれが持ってやるって!!」

「良いわよ〜これくらい軽いし…」

「そうか?」

「あ、犬夜叉!あっちに人が集まってる!!」

「何だ〜?」

「さぁ…行ってみる?」

「おう。」 

「珊瑚ちゃん、ちょっと行きたい所があるから…別々に行動してもいいかな…?」

「あたしは別に構わないけど、どうする?法師さま」

「勿論、むしろ賛成ですよ。さぁ、珊瑚我々も、的当てでもしに行きますか?」

「…うん!」

珊瑚は嬉しそうににっこり笑った

「じゃぁ、行こうか犬夜叉、七宝ちゃん」

「おら…太鼓を叩いてみたいのじゃが…良いかのう?」

「良いけど…迷子にならないようにしてね。」

「おう♪勿論じゃ」

七宝はいかにも楽しそうに走って行った

 

『ふぅ〜〜世話がやけるのぉ』

 

「みて、犬夜叉今から花火上げるみたい」

「花火?へぇ〜」

「あそこから良く見えるのかしら?」

「すげぇ人じゃねぇか」

「とりあえず行ってみようよ」

「ちょっと待ちな、あっちだ。」

犬夜叉は人が集まる場所の上の方を指した

「何よ?」

「いいから、来てみな。」

 

犬夜叉はかごめを連れて走った

「しっかりつかまってろよ!!」

 

その声と共にすごい勢いで高い木をほぼ垂直で登った

そして、一本の太めの枝にしゃがむと、かごめを下ろした

 

「下、見てみな」

「え?」

 

かごめが下を見ると人の群れが見えた

あの人だかりの上に居るのだ

 

「すごい高いわね〜」

「ここなら、ちゃんと見えるだろ?」

「うん・・・」

 

かごめはなんだか嬉しかった

たまに見せる犬夜叉の優しい所がかごめは大好きだった

 

「ねぇ、犬夜叉…」

「お、始まったぜ!!」

「…わぁ!  すごい…綺麗」

 

大きな花火が沢山上がっている

かごめがそっと横をみると

綺麗に光る花火が犬夜叉の瞳に映っていた

 

「花火っておもしれぇな」

「うん。すっごく綺麗だし…」

「また…」

「ん?」

「見てえな、花火。」

「こんな機会滅多にないもんね〜」

「かごめ・・・」

「二人で花火みるなんて最初で最後かな…?」

 

ふとかごめが寂しそうな顔をした

 

「なんでだよ?」

「だって、四魂の玉が揃って、奈落が死んだら…もう私の残る意味なんて無いじゃない?」

「…ばっかじゃねぇのか?おめぇ。そんなわけねぇだろうが。」

「え?」

「だ・・・だから・・・その・・・ずっと居たっておれは構わねぇってことだよ!!」

「ありがとう。犬夜叉…。」

 

『少し意地っ張りで、怒りっぽくて…でも

優しくって、強くって頼りになってくれるし、辛い時は力になってもくれる。

だから…』

 

「犬夜叉が居ても良いって言ってくれる限り…傍にいる・・」

「……おお。」

 

犬夜叉が少し照れながら言った。

 

 

終わり。

 

 


 

 〜管理人コメント〜


わんこ兄弟様、長編大作、本当にお疲れ様でした!
初めてキリバンをゲットしたので、すごく嬉しかったです。
無理言って、犬かごをお願いしてしまい、申し訳なかったです。
でも、最後はほんのり甘く、爽やか犬かごv

…毎回、どうなるのだろうと、すっごく楽しみでしたv
登場キャラも多く、にぎやかでしたし、内容も素敵v

宝物ですv

本当に、ありがとうございましたv

 

こちらの小説を書かれた、わんこ兄弟様のサイトは こちらからどうぞ。

 

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