「気配と共に」           

!! 「四魂の欠片の気配がする!」かごめは何かを感じ取ったように後ろを振り返る。

「なっ!?こんな村の中でか・・?」犬夜叉も後ろを振り返った。

「うん、間違い無い!!」そのとき犬夜叉の顔色がガラっと変わり、

「・・・・・」黙ったままで鉄砕牙に手をかけた。

「犬夜叉、村の外におびき出してからのほうが・・・」

ゴオオオオ  と凄まじい旋風が起こった。

「・・・やはりそうでしたか〜」弥勒がすでに脱力して言った。

「何しに来やがった痩せ狼」いつもの文句を言い放つ犬夜叉・・。

言い放つと同時に鉄砕牙を完全に抜いていた。

「久しぶりだな、かごめ」さっき痩せ狼と言われていた少年が一瞬のうちにかごめの手を握っていた。

「ぇ・・・う、うん、私は」と笑ってみせた。

「鋼牙くんこそ、元気にしてた?」かごめは無視されてワナワナと拳(こぶし)を握る犬夜叉の方を気にしながら言った。

「もちろんだぜ」鋼牙は嬉しそうに答えた。

その時、鋼牙の後ろから大きな声が上がった。

「コラァ!! 痩せ狼、いつまで手を握ってやがんだ!!」勿論声の主は犬夜叉だった。

勢いよく鋼牙の頭を拳骨(げんこつ)したすると今度は

「何しやがる!この犬っころ!!」と鋼牙が言い放った。

犬っころと言われたことに腹を立てた犬夜叉は

「けっ、面白しれぇ〜じゃねえか!!今度こそ決着つけてやるぜ〜」

「もう、止めなさいよ!!二人共!!」かごめが声をかけるが反応はまったくない。

「あ〜あ、また始まった・・・。」珊瑚は飽きれた様子で言った。

「鋼牙、何か用があったのではないのですか?」弥勒が仲裁(ちゅうさい)するつもりで言うと、

本当に用件があったらしく、「おぉ!!すっかり忘れてたぜ!」と鋼牙は言った。

 

 

 弟二話

「祭りの知らせ」

「用ってのは、祭りのことなんだが・・・」

「何照れながら話てんだよ!!」

「犬っころは黙ってろ!!」

「それで、お祭りがどうしたの?」かごめが問いかけると・・・

「妖狼族の祭りなんだが、奈落のせいで参加者が足りねぇんだよ」

「ま・・・まさか鋼牙、おめぇ・・オレ達に手伝えってか??」

犬夜叉はそんなの御免だ!という顔をして言った

「そうねぇ・・奈落の被害で大分困ってるみたいだし・・・」

かごめは手伝おうと犬夜叉に呼びかけた

「犬夜叉協力してあげましょうよ!!鋼牙くん、こうやってわざわざ来てくれたんだし・・・」

「けっどうせ一瞬で着いたんだろ〜が」

「へっノロマの犬っころとは違うからなぁ!」

「なぁんだとォォ!!」犬夜叉はイライラしてきたらしく、

「ぜってぇこんなヤツの手伝いなんてす・る・か・よ!」

「もう! じゃぁ良いわよ!!私達で行きましょう!」

かごめ達は出発の準備をはじめた

「お、おい!コラ!奈落を探すほうが先だろうが!!」

「・・・・」

犬夜叉は無視されたことにもっとイラつきを見せた

「ふん、来たいなら追いかけてきな!ノロマの犬っころ!」

鋼牙はかごめを肩にかつぎ、出発した

「・・・・・」犬夜叉は黙ったままだ

「けっ」

と言いながらも鋼牙の走っていったほうへ駆け出した

「あ〜の〜や〜ろ〜覚えてやがれ!」

雲母は弥勒・珊瑚・七宝を乗せて走った。

鋼牙はそのことを知っていたのか、いつもよりもゆっくり走っていた

「せっかく祭りに招待してやったってのによ〜」

「え?」かごめが耳を疑ったのかと思い聞き返した

「アイツっていっつもあんなんか?」

「ぇ・・・そんなことないわよ・・・ハハ・・」

・弟二話「祭りの知らせ」終わり・


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