弟七話「主人公登場」

「おかしいわ…」

かごめが後ろを振り返ってから言った

「確かに、鋼牙が遅れるなんて。」

珊瑚が答えた。

「どうしたのかしら」

かごめは少し心配そうに前を向いた

 

ゴォォォォォ... 

 

すさまじい旋風と共に鋼牙がやってきた

 

「鋼牙くん、」

「すまなかったな、かごめ。

 ちょっと戸締りに時間がかかっちまってな…」

 

鋼牙はそう言うとかごめ達が入ってきたほうを見た

かごめ達もつられてそちらを向いた

だが、見た目ではかわりは無かったのだ

少し不思議に思いながらもかごめ達は門の向こうへ進むことになった

 

「見た目じゃ解かんねぇだろ」

鋼牙が得意そうな顔をして言った

 

「うん」

かごめがうなづくと

 

「入り口を隠しただけなんだ。」

「え、?」

 

どうやらさっきまで流れを止めていた滝をもう一度長し始めたようだ

 

「どうして?」

「そりゃ〜部外者が入れねぇようにだ」

 

『滝が流れてたって、犬夜叉なら解かるはず…』

 

「これで、犬っコロの邪魔は入らねぇってことだ」

 

ゴンッ

 

鈍い音がした

 

「な゛っ」

「誰に邪魔されねぇって〜?」

 

「犬夜叉!!」

かごめ達は驚いたように言った

 

「なんでここに?」

 

かごめの質問に答えないで、犬夜叉は反対側を見た

どうやらまだ鋼牙のところへ行ったかごめ達のことを根に持っているらしい

 

「ん?なんだ、テメェら。その格好」

 

犬夜叉は今ごろ気付いたようだ

 

「なんでだ!?」

 

不思議そうに かごめ・弥勒・珊瑚・七宝 と見まわしていった


 

 

弟八話「プライドか祭りか」

 

「何でおめぇらがこんな格好してんだよ!?」

「いろいろとあるのですよ…」

弥勒が犬夜叉に言った

「まさか妖狼族に…」

「何勝手なこといってんのよ!!」

かごめが眉間(みけん)にしわを寄せていった

「じゃぁ、何でだよ!?」

「おまつりなの!!」

「それは行く前に聞いた」

「だから、お祭りの衣装なのよ!!」

 

「そういうこった、

かごめ達は今から妖狼族の祭りにでるんだからな。」

鋼牙は当たり前のように言った

「お前に様なんざねぇよ、さっそと帰りな」

鋼牙は犬夜叉を『しっしっ』と手で払う素振りをみせた

 

「あんのやろぉ〜〜〜」

犬夜叉はイライラして鋼牙の方をギロッと睨(にら)んだ

 

「まぁまぁ、今日はせっかくのお祭りなんだし」

「うるせぇ!!」

 

『けっ何だよ、人がせっかく来てやったのに』

 

「犬っころ」

 

ギロ

「何でぇ」

犬夜叉は鋭い目で鋼牙を見た

 

「お前も祭りに参加してみるか〜?」

「な゛…??」

 

「今年はアイツのせいで参加者が例年より少ねぇんだ」

―奈落

 

「ま、しょうがねぇな〜」

「だが、一つ条件がある」

「ん?」

 

「これだ」

 

「・・・・まさか」

 

犬夜叉が目をやると、そこには妖狼族の来ている衣装があった

 

「ちょっとまて」

 

「これを着てもらわねぇと話にならねぇ」

「・・・・・」

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